oHannaの日記

不動産にかかる税金のお話を主にしています。

固定資産税・都市計画税 納税通知書の見方

納税通知書・課税明細書の全体像

 

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東京都23区では、毎年6月1日に固定資産税・都市計画税納税通知書を発送します。
たくさん書類が入っている中で、税額等の計算に欠かせない書類が、課税明細書になります。


おおよそこのようなかんじで固定資産についての情報が記載されています。
細かい字と数字の羅列で正直見難い。わざと見にくくしているんじゃないかと勘繰ってしまいますね。

この表をブロックごとに分解して関連項目ごとに解説します。
今回は、土地の所在・地目・地積についてです。

 

*固定資産税・都市計画税(土地)土地の所在・地目・地積

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まずは、この表の見方。
土地の所在には、所有の土地の地番が記載されています。
住所表示(いわゆる住所地番)ではないので注意してください。

所在以降の右側の欄からは3段書きになっています。
これは、上段の項目位置の結果が下段の同じ段に記載されています。

 

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登記地目
 登記機関(法務局)で登記申請した際の地目。
現況地目
 実際の土地の利用状況に応じた地目。
非課税地目
 非課税項目に該当する地目。

登記地目現況地目の区分がなぜ分かれているかというと、まれに、登記された当時と土地の利用状況が変わったため地目が異なることがあるからです。

 

よくある例としては、登記地目が「畑」、現況地目は「宅地」となっているケースです。


土地の認定は現況の利用状況でもって判断します。

遠い昔に「畑」として登記し、利用されていた土地だとしても、現在、家屋等が建てられる状況にある土地については※「宅地」として地目を認定します。

 

*1

 

非課税地目にはその土地に非課税に該当する部分がふくまれていた場合に記載されます。
よくある例ですと、道路拡幅部分として提供している場合です。セットバックとよばれることも多いです。
道路として提供し、非課税認定された場合の地目は「公衆用道路」となります。

 

ちなみに、土地すべてが非課税の場合、課税明細書には記載されません。(課税されないため明細もないのです。)
非課税であることを証明したい場合は、各区の都税事務所にて「名寄帳」を発行してもらうことで確認できます。

 

各地積には記載のとおりで、「現況地積=課税地積」となります。


非課税面積が存在する場合、登記地積から非課税地積を差し引いた数字が課税地積になります。
非課税地積が存在せず、登記地積と課税地積が一致しない場合、「土地地積等現認届出書」が提出さている可能性もあるので、所管の都税事務所にお問い合わせください。

 

登記地積が誤っている場合の取り扱い

現況による地積を認定する場合、土地の納税義務者から不動産登記令に規定する地積測量図が添付された「土地地積等現認届出書」の提出を求める。提出された土地地積等現認に基づき、隣地との関係について調査等を行い、届出書の内容と現地の状況が一致し、現況の地積によることが適当と認められる場合には、これにより地積を認定する。                             
なお、土地地積等現認届出書については、賦課期日に属する年の1月14日までに申告することとされている。(東京都都税条例施行規則第17条)(東京都固定資産‹土地›評価事務取扱要領) 

      

原則、登記地積を変更する場合は地積測量を行ったのち、登記機関(法務局)にて登記申請を行います。
上記でお伝えした「土地地積等現認届出書」は、あくまでも固定資産税に係る課税面積を変更するための応急処置と考えていただければと思います。

登記するのはお金も時間もかかるから、課税面積だけ変えられればいいんだ!
という方もいらっしゃるかと思いますが、この「土地地積等現認届出書」に添付する地積測量図は地測量図士が作成した測量図でなければなりません。

さらに、隣地境界については、近隣土地所有者との境界確定書も提出しなければならないため、結局のところ登記申請する程度の資料を作成しなくてはなりません。

 

では、どういった場合にこの申請書を提出するのかというと、賦課期日(1月1日)をまたいでの登記になりそうな場合、1日を過ぎてしまうと翌々年度からの変更になってしまいます。


せっかく資料は準備してあるのに、課税面積が変わらないのは悔しい!
というときに、上記の申請書等を提出することにより翌年度の課税から面積を変更することができます。

 

次回は、土地の価格・課税標準額等について解説します。

 

 

*1:※宅地の認定基準…建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地。 

維持若しくは効用を果たすために必要な土地とは、建物に付随する通路や庭、建物の風致又は風水防に要する樹木の生育地等をいう。(東京都固定資産‹土地›評価事務取扱要領)